投資信託の次に「不動産投資」を検討すべき理由:真の分散投資を完成させるロードマップ
新NISAの普及もあり、投資信託(インデックスファンド等)で資産形成を始める人が増えています。しかし、投資信託だけで資産の100%を運用することには、ある「偏り」が生じていることをご存知でしょうか。真に安定した資産基盤を築くためには、性質の異なる「不動産投資」を組み合わせることが有効です。
本記事では、投資信託を始めた方が、なぜ分散投資の次の一手として不動産投資を選ぶべきなのか、その相乗効果と具体的なメリット・デメリットを詳しく解説します。
1. なぜ投資信託だけでは「不十分」なのか
投資信託、特に世界株や米国株のインデックス投資は、中長期的に資産を増やすための優れた手段です。しかし、以下のリスクからは逃れられません。
- 市場連動リスク: 世界的な経済危機(リーマンショックやコロナショック等)が発生した際、保有資産が一律で30%〜50%下落する可能性があります。
- インフレリスク: 株価もインフレに強い側面がありますが、現金や債券に近い性質を持つ投資信託の場合、物価上昇に追いつかない局面があります。
- 「待つ」ことしかできない: 投資信託は運用をプロや市場に任せるため、投資家自身が収益を改善させる余地がほとんどありません。
ここに、物理的な「実体」を持つ不動産投資を組み合わせることで、これらの弱点を補うことができます。
2. 投資信託と不動産投資の徹底比較
両者の違いを理解することが、分散投資の第一歩です。
| 比較項目 | 投資信託(金融資産) | 不動産投資(実物資産) |
|---|---|---|
| 主な収益源 | 売却益(キャピタルゲイン) | 家賃収入(インカムゲイン) |
| 収益の安定性 | 低い(市場価格に左右される) | 高い(家賃は急落しにくい) |
| 流動性 | 高い(数日で現金化可能) | 低い(売却に数ヶ月かかる) |
| レバレッジ | 不可(自己資金の範囲内) | 可能(銀行融資が利用できる) |
| インフレ耐性 | 中程度 | 非常に強い |
| 税制メリット | 限定的(NISA等) | 大きい(減価償却による節税等) |
3. 分散投資として不動産投資を組み合わせる3つのメリット
① 収益の「波」を平準化する
投資信託は「評価額」が毎日変動しますが、不動産投資の収益は「家賃」です。景気が悪くなったからといって、入居者が翌日から家賃を半分にしてくれと言うことはありません。株価が暴落している時期でも、毎月決まった家賃が振り込まれる状態を作ることで、精神的な安定を得ることができます。
② 「他人資本」で資産形成を加速させる
投資信託は100万円投資するには100万円の自己資金が必要です。しかし、不動産投資は銀行から融資を受けることで、数百万の自己資金で数千万の物件を購入できます。入居者からの家賃でローンを返済していくため、実質的に「他人の資本で自分の資産を形成する」という、金融資産にはないレバレッジ効果が得られます。
③ 究極のインフレ対策
物価が上がると、お金の価値は下がります。不動産は「モノ」であるため、物価上昇に合わせて価格や家賃もスライドして上昇する傾向があります。投資信託(紙の資産)と不動産(現物の資産)を両方持つことは、通貨価値の変動に対する強力なヘッジとなります。
4. 知っておくべき不動産投資のデメリットと対策
メリットだけでなく、リスクを正しく把握することが投資信託経験者には重要です。
- 空室リスク: 入居者がいなければ収益はゼロになります。
→ 対策: 需要の安定した都市部の物件選定や、信頼できる管理会社の選択が不可欠です。
- 流動性リスク: 現金化したいと思っても時間がかかります。
→ 対策: 全財産を不動産にするのではなく、即座に売却できる投資信託や現金を一定割合持っておく(=分散投資)ことでカバーします。
- 借入リスク: 金利上昇により返済額が増える可能性があります。
→ 対策: 余裕を持った収支シミュレーションを行い、繰り上げ返済の余力を残しておくことが大切です。
5. 理想的なポートフォリオの作り方
投資信託をすでに始めている方は、以下のステップで不動産投資を組み込むことを検討しましょう。
- まずは投資信託で「種銭」を作る: NISAなどを活用し、流動性の高い資産を確保します。
- 不動産の「信用」を活用する: 会社員などの属性があるうちに、融資を活用して中古ワンルームマンションなど、管理の手間が少ない物件からスタートします。
- 再投資のサイクルを作る: 不動産から得られた利益(キャッシュフロー)を、さらに投資信託の積み立てに回すことで、複利効果を最大化させます。
結論:バランスこそが最大の武器
投資信託は「右肩上がりの経済成長」に乗るための船であり、不動産投資は「荒波でも揺れない」ための重しです。この2つを組み合わせることで、好景気には株式の上昇益を享受し、不景気には不動産の安定収益に守られるという、強固な資産形成が可能になります。
「投資信託だけで十分」と思わずに、視野を広げて実物資産である不動産をポートフォリオに加えてみてはいかがでしょうか。その一歩が、将来の経済的自由に向けた大きな転換点になるはずです。



